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イシグロ御殿場店より、リメイク・リペア依頼品が入荷しました!!

2021/11/30
  • 1,289 view
  • ロッドビルディング・カスタム

  

 イシグロ御殿場店より、

      リメイク・リペア依頼品が入荷しました!!

                        (グリップ交換)

こんにちは、

工房担当の福田です。

今回の依頼品は、、、ディスプラウトの、、、。

       「スーパーアンディーン51UL」です。

依頼内容は、、、グリップ交換。

  

 フロントは、フォーナインマイスター似、

 木目模様のリールシートを使用する。

   

  現行状態を、、、。木目調のグリップキットを使用して作成。

  

使用パーツはこちらの、、、2点。

今回は、グリップキットを使用して、加工処理していきます。

    

スケルトンタイプのグリップを破壊。

バットエンドを外して、、、

  

かなり良質のグラスチューブラ。

  

スクリュー部の裏スジからケガキを入れて外す。

  

アルミパーツが、ごっつい!! 

パーツは直ぐに外せると思いきや、、、。

  

この作業ですでに、手にマメが2個ほどできる、、、苦戦中。

チェック(アルミ)の厚みがあり熱を加え過ぎると、

アルミに熱がこもり、グラスブランクにダメージを与えてしまう!

そこで!! 

文明の利器を使用。

ベルトサンダーでアルミパーツを削り飛ばす!

  

ベルトサンダーは、十分に気を付けないと、

一瞬触れただけでも、かなり勢い良く削れてしまう、、、。便利だけど、便利じゃない

削る作業は信頼出来るが、細かなピンポイントは、

しっかり固定しコントロールしないと、

ロッドを簡単に削ってしますリスクがある。

(本体も重く、振動が大きく手元が非常にブレるので、、、注意大!!)

本当は使いたく無いが、、、作業がすすまないので使用します。

しっかり固定して、アルミ材を削り飛ばしました!! 

  

今回お預かりしました、このロッド!!

このメーカーさんのロッド破壊は初めてです。

ロッドも太めで、ショートタイプ!!

管理釣り場ロッドの概念を良い意味で脱線したロッド。

特化した仕様と粘りのあるグラスロッドは魅力大!!!

「非常にしっかり作り込まれているロッド!!」

そのおかげで非常に分解に苦労中。

パーツも簡単なワインディングチェックであれば、

こんなに苦労はしないんだけど、、、

自社作成の専用パーツですかね、、、。

他のパーツも包み込む形(一体成型)のワインディングチェック!!

こんな形状のアルミパーツは珍しい。

  

フロント部も外します、、下のチェックは簡単に外れたが!!

  

また、この頑固なアルミパーツ!!

  

何とか削り飛ばして、、

今度は、土台のカーボンパイプを剥がします。

  

カーボンをカッターで薄く裂いていく。

グラス表面とカーボンの境まで慎重に削り、

後は簡単に剥き、これで下地までは安心して作業が出来ます。

  

トラウトロッドに使用するパーツにしては、

かなりガチンコで作り込まれているロッド!!

 

アルミパーツと他のパーツの重なる(強度出し)箇所が、

他のメーカーより多い。

このアルミパーツが曲者で、、、

  

その下のカーボンパイプも削って、、、やっとブランクに到達!!

  

塗装を剥ぐと、綺麗なグラスブランクがお目見え!

 

少し拡大しますと、、、

質の良いグラスは透明感のある白っぽいブランクカラー。

グラス素材の純度が高い証です。

(グラスの素材が細かい綺麗なブランクです。)

フロント部の飾り巻きの加工をします。 

この色、メーカー独自のスレッドカラー見たいで、、、手元に無い。

それでは、お隣のイシグロ中吉田店へ・探しに行こう!!

・・・イシグロ中吉田店、店内パーツコーナー!!・・・

目移りする程のスレッド種類とカラー選択が出来ます。

コーティングすると透けるスレッド(ナイロン)と、

透けないスレッド(NCP)があります。

詳しい説明は、専門スタッフに聞こう!!

  

  

近いカラーがこの辺のスレッド、、、。

  

3個ほど取り出して、スレッドカラーを確認しますが、、、。

コーティングしても、同じ色味になりそうにないので、、、、。

 

現状を加工します。

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        富士工業の新製品も入荷しています!!

  

  

  ご興味がある方は、イシグロ中吉田店・パーツコーナーへ、、GO!!

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このロッドのコーティングは、

UVコート (紫外線を利用して、短時間でコーティングする剤です。)

UVはコーティングの削り方で、上手く表面を剥がす事が出来ます。

  

デザインナイフでコーティングの段差を剥いて、

完全に剥がし終えたら、エポキシで軽く表面をコーティングして固めます。

  

エポキシコーティングは2回程掛け、

表面のデコボコをペーパーヤスリで研磨してから平らにし、

再度仕上げのエポキシコーティングで再生完了!!

※これはUVコートだからリカバリー出来ましたが、

エポキシコーティングでは、今回の様に表面を剥く事は出来ません。

 

リールシートの内径加工!!

ブランクの外径を測った時、一番太く見えた所が9.5パイ前後でした。

バラして見たら、バットエンド径が11パイあり調整加工が必要となり、、、。

 

ひたすらゴリゴリ内径を削り、、、。

11パイ弱まで削り終了!!

  

スクリュー部、内径段差が非常に見栄えが悪いので、

EVAを加工してフタを作ります。

 

この隙間は気になりますが、

逆に段差の深さがあるので加工しやすい。

 

EVAの外径を削り、段差分の内径と厚み、ブランク径分を調整加工。

ブランクを通す穴は、少しキツメにして隙間が出ない様に加工。

  

EVAは若干、実径よりも外径は大きく、内径は小さくする事で、

スポンジの性質を活かして外径・内径の隙間を殺します。

  

キツメにする事で、パーツ毎のメリハリが出て見栄えがアップ。

細かな所を加工する事で、より製品の完成度を高めます。

 

コルクの穴加工!!

こちらも、棒ヤスリで内径を11パイ弱削ります。

棒ヤスリは、コルク面に対して垂直に立て円芯が取れているか、

確認しながら丁寧に削ります。

  

接着に入る前に、コルクのフロントフードを入れて、

仮組みします。

 

従来の位置に合わせると、

ブルーの飾り巻きが、フロントフードの口から出ない為、

少し後方にズラし、ブラックのスレッドでストロークを稼いで、

バランスを取ります。

  

ストロークを取った状態ですと、

フロント口部から飾り巻き部が綺麗に出て来ます。

バランスが取れた仕上がり状態。

仮組みで確認出来たので、

後は隙間を殺して接着します。

    

フロントのフード部は、

上部に移動しマスキングテープで固定。

 

リールシートの接着、ガイドとの位置・長さを確認。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リアコルクの加工。

 

長さを確認してカット!! 

2本分、旋盤機の棒軸作成!!

  

指定の長さまで削り加工。フロント分。

  

リア分。

  

アルミパーツは、コルクの中間に入る様に加工。

  

内径を削り加工。

  

アルミパーツは、

出っ張っている箇所をニッパーで、

少しずつ千切ります。

  

ニッパーで千切り飛ばした状態。

内径部に千切り跡が残る様にカット。

アルミパーツの外径にはキズが付かない様処理。

この削り面のギザギザを利用して固定します。

ギザギザをコルク面に押し当てて、

コルクにパーツ位置の固定箇所を決めます。

 

コルクとパーツ面の隙間が無く、

上手く収まる様になったら接着します。

アルミパーツとブランクとの間に出来た段差にも、

剤を落として固定します。

  

コルクと中間アルミパーツの接着完成。

フロント部コルク加工完成。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リアコルクの加工。

廃材EVAを5㎜幅でカット。 5㎜の四角にカット。

  

四角のEVAを詰める穴の内径より少し大きめに、

そして丸くカットします。

    

接着剤をEVAの穴に差し込み、カットしたEVA丸型を穴に押し込む、

丸型が大きくてもスポンジなので、キツメに入り隙間を殺せます。

  

剤がはみ出ても後から拭き取ればOK!! 

少し出べそで接着した方が、

後の加工が綺麗に出来ます。

  

EVAの尻栓の断面が見えているので、

表面の処理をします。

下栓EVAを片軸でセットして、

旋盤機を回して、栓の断面を削ります。

よく見ないと分からない程度まで処理出来ています。 

  

EVAのエンドは10㎜でコルクと合わせ接着。

(5㎜がカーボン芯・5㎜がEVA栓)

継ぎ足しカーボンは、EVA10㎜の内に5㎜入り、

5㎜が先に作った栓分となります。

  

後は、内径、外径を確認しながらコアテープでアーバーを作り接着!!

  

接着はコルクとEVAの一番歪みが無い面を、

ゆっくり動かしてソリの合う面を見つけます。

段差、バランスが一番合う所で接着完了!!

 

グリップはこれで完成しましたが、

最後の仕上げ、コルクの穴埋めが待っています。

コルクは天然素材、コルクの状態を選ぶ事は出来ませんが、

目立つ穴は、今回もまた細かく処理していきます。

  

ジャストエースのコルクペースト!! 

 

コルクの隙間に1個ずつ押し込み、、。

 

1日経つと白く乾燥します。削りOKの印!!

  

後は、ひたすら紙ヤスリで削ります。

今回は、800番と1000番で処理。  

 

今回は、途中で嫌な汗をかくなど苦戦しましたが、

グリップの形も大体オーダー通り無事完成!!

  

管釣りシーズンもこれからなので、

このロッドにも是非!! 活躍して欲しいです。

   ご依頼店のイシグロ御殿場店へ、

              定期便にて返送致します。

 


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