静岡県から愛知県を中心に釣り具の店舗販売を行う「イシグロ」の釣り人のための情報ポータルサイト
私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています.
この店舗のブログ一覧へ

工房の日常 リサイクル品の修理/コルクのパテ埋め

2022/08/19
  • 2,278 view
  • ロッドビルディング・カスタム

タックルオフ工房の曽根です。


タックルオフ工房では、イシグロ各店で買取した竿を、販売前に修理・補修して販売することが多々あります。

ガイドの曲がりや、コーティングのクラック等によるガイド修理がほとんどです。

このようにして、より良い状態に補修したのち、店頭で販売しております。

※すべての中古がそういう訳ではございません。


これ以外には、コルクやEVA、傷の補修や、前の持ち主の名前が入っている竿の「名前消し」などもあります。

今回はコルクの補修について紹介させていただきます。


コルクは長い時間使っていると、このように穴が開いてきます。

これはもともとコルクにはこのような「ス」がある為、コルクメーカーがパテを埋めた状態で販売してます。

使っているうちにパテが取れてしまい、このように穴だらけになることが多々あります。

このまま使用しても機能的には問題はないですが、場合によっては穴から水や海水が浸み込んでしまいます。

高級ワインの栓に使用されるほど、コルク自体は優れた耐水性・耐久性があります。

しかし、コルクを接着しているボンドに影響を与える可能性もありますので、大きな穴は埋めておいた方が無難です。

また販売する側としては、綺麗に補修したほうが、購入される方も気持ちよく使えると思います。


では補修の手順です。

今回は今後取れそうなパテもあらかじめ除去して、埋めなおそうと思います。


コルクの穴をそのままにしておくと、そこからコルクが削れて余計に穴が広がる場合もあります。

機能的には問題ないといいましたが、補修したほうが綺麗な状態を保つことができると思います。


用意するのは

ジャストエースのコルクシール(コルクパテ)

です。


このような半ネリ状のパテです。


作業に入る前に、余計なところに影響がないように、マスキングテープを巻いておきましょう。


私はいつも爪楊枝を使用しています。

またコルクパテは触ると結構取れにくい為、手袋をして作業すると、後処理が楽です。


爪楊枝の先に適量のコルクパテを受けて、コルクの穴に押し込むようにつけます。

爪楊枝を「ヘラ」のように使うことで、平らに処理することができます。


指を使って押し込むこともできます。

またはみ出た部分は指で「掃う」ようにすることで、パテをつけすぎないようにすることができます。

指で押し込む場合、どうしても指の弾力でパテがへこんでしまいがちです。

へこんでしまうとそのまま固まってしまいます。

極力そうならないように、気を付けながら作業することで、仕上がりに違いが出てきます。


結構大きな穴が開いている個所もあります。


大きくて深い穴は、多めにつけて…


指でしっかり押し込んであげます。

先ほども書きましたが、へこんだ状態にするとそのまま固まってしまいます。

しかも

コルクパテは乾燥すると若干痩せます

大きな穴ほど痩せが目立ちますので、少し盛り気味で処理しておくといいでしょう。


こんな感じで、全体に塗って穴を埋めます。

この後数時間しっかり乾燥させます。

穴が浅ければ1時間程度でも構いません。

今回のように深い場合は、奥の部分が乾燥・硬化するまでに時間がかかります。

半乾きの状態では、この後の処理が綺麗にできませんので、しっかり乾燥させましょう。

私は、処理する時間を短縮したいときは、ヒートガンで遠目で熱することもあります。

熱しすぎるとコルクが焦げてしまう可能性がありますので、ご注意ください。

一般的には、ドライヤーの方が失敗も無くいいかと思います。


後は320~400番程度のヤスリで、表面を削ります。

極力コルク表面を削らず、パテのみ削るような気持ちで作業しましょう。


ある程度削れたら、アルコールで湿らせたティッシュなどでふき取ります。

アルコールの代わりに、ラッカーシンナーなどでも結構です。

溶剤が入っているものを使いますと、表面の汚れも一緒に落とすことができます。

表面に残っているコルクパテもこれで除去できます。

手軽なものでは、ウェットティッシュなども使えます。

コルクパテ自体は「水溶性」のため、表面に残っている程度であれば、ウェットティッシュで除去することができます。


このような感じでパテ埋めが完成です。

ここまでの作業時間は、ヒートガンでの過熱を利用すれば45分程度でしょうか。

今回のように、大きな穴が目立つものでなければ、もっと早い時間で処理することも可能です。

小さい穴ばかりであれば、全体を一気に塗る方法の方が、効率がいいと思います。


この処理は、あまり頻繁に行うことはお勧めしません。

ヤスリを使う為、若干コルク自体を削ることになります。

あまりやりすぎると、コルク自体が痩せてしまう可能性があります。

ほどほどにするのがお勧めです。


この作業方法は、動画でも配信しております。

詳しくは以下よりご確認ください。




また、コルクパテの販売元のファイブコアさんからも動画が配信されています。

こちらは一気に塗る方法での処理方法が紹介されています。

よろしければこちらもご参考ください。




タックルオフ工房では、日々新しいビルディング動画を配信しております。

よろしければ定期的にご確認ください。

<ロッドビルディングチャンネル>
https://tackle-net.com/page0118/


タックルオフ工房では、メールや電話での問い合わせの他、

オンラインでの相談

も受け付けております。

直接物を見ながらやり取りができるので、より詳しい対応ができると思います。

よろしければぜひご利用ください!




TOPへ戻る

釣り投稿

閉じる