タックルオフ中川かの里店より、
リメイク・リペアの依頼品が入荷しました！
（分類・カーボンパイプ使用修理）
こんにちは、
タックルオフ工房
担当福田です。
今回の依頼品は、
「カーボンパイプ使用、セパレート修理」 です。
お預かりしたロッドは、 「エメラルダスMX83ML」！
破損箇所の確認！
セパレート部の中央が、
折れています。
ロッドの折れ方には、
大まかに2種類に分かれます。
1つは、今回の様に、
外圧がゆっくり掛かると、
竹がいくつも縦割れする様に、
力が拡散して、
幾筋にも割れる状態です。
もう1つは、
硬い物にぶつけた場合や、
ぶつかった場合は、
大抵綺麗に真っ二つに折れます。
それは、
ブランクに掛かった力の逃げ道や、
逃げ方の差です。
力が、ゆっくり伝わると、
四方に散ります。
力が、一方方向から一点集中して伝わると、
真っ直ぐに突き抜け様とするので、
ブランクは、綺麗に真っ二つになります。
ロッドの使用上の注意事項を、
守っていたのに、ロッドが折れた場合、
考えられる事は、
ブランク内に不純物が混在して
ブランクの曲がりを阻害し破損に至ります。
メーカーのクレーム検査は、
そのブランク内に不純物が、
存在しているかどうかを
ブランクのカット断面から
顕微鏡で確認する検査を行います。
その為、別途検査時間が掛かります。
ロッドを拝見する限りでは、
ロゴのA辺りから外圧が掛かり、
破損に至った様に見受けられます。
マスキングテープの前後、
矢印内にヒビが入っています。
ブランクをカットして確認しないと、
外見以外に内部もヒビが、
広がっている可能性があるので、
ヒビが見える所までカットします。
目見内の範囲で1回カットします。 その前に・・・。
セパレートの長さは、
純正と同じ長さの指定でしたので、
1度確認します。
フロントチェックからリアエンドまで、
228ｍｍあります。
使用する指定パーツはこちら・・、
マタギ エンドパーツ 延長カーボンパイプ
FBC Ⅱ EXCP40-15（15.013.0・400）
各パーツの仮組みを一度行います。
確認後、
問題なければ接着に入ります。
バッドエンドのEVA接着を行います。
接着面の喰いつきを良くする為に、
耐水ペーパーも番手を荒めにして、
バットエンドのEVAが入る箇所は、
削りをしっかり行います。
削り後、接着OK！
パイプ径拡大の為、
フロントフードEVA内径の削りを行います。
純正時の内径は、約12φでしたが、
交換に使用した延長用カーボンパイプは、
外径が15φになる為、
フロントEVAの内径加工が必要となります。
工具は専用の加工アタッチメントを使用！
15φの内径加工も無事終了！
これで加工は完了しました！
後は接着のみです。
セパレート部から、
エンドまで228ｍｍです！
コアテープを13φまで厚みを出し、
等間隔で巻きます。
後は、
加工したフロントフードをパイプにセットして、
接着のみとなります。
2液性のエポキシで接着！
溢れたエポキシは、
しっかり拭いて完成となります。
今回のオーダーは、
パーツ数は少ないですが、
機能面を追及したシンプル
な出来になっています。
こんな感じで、
「機能を重視したシンプルなタイプ」か！、
「金属パーツを装飾してゴージャスなタイプ」か！
お客様の好みで、バリェーションは広がります。
完成しました！
全長は、純正品と同じですが、パイプ径が太くなったので、
重心が後方に向き純正品より、エギをシャクリやすいかも知れません。
それでは、オーダーを頂いた、
「タックルオフ中川かの里店」へ
定期便にて返送致します。
今週もいろいろなリメイク、リペアがありました。
件数・内容的にもブログに載せて行きたい物が一杯あります。
色の配色も遊び心があり、面白いスレッドの組み合わせ・選び方や、
センスの良いパーツの配置、しっかりと計算された内容も、
お客様の熱意が伝わって来ます。
工房でもリメイク、リペアを楽しみならが、
作業をさせて頂いています。
