“適材適人“想いと実力に応じた挑戦を。

曽根01
普段はどんな仕事をしているんですか?

曽根 イシグロ中吉田店の奥にある「タックルオフ工房」という作業スペースで仕事をしています。タックルオフ工房へ外から入る事はできませんが、作業風景は自由に覗けるようになっています。タックルオフ工房には、お客様の竿の修理や改造、制作など技術が必要とされる依頼が毎月数百件来ます。以前は私自身も作業をしていましたが、今では優秀な“職人”が育ってきたのでほとんどを彼らに任せています。今の私の仕事としては、そういった技術あるスタッフの育成やお客様自身で修理や改造の楽しさを知って実践してもらえるような啓蒙活動が主となっています。

曽根02
マイスター曽根になるまでの苦労を教えてください。

曽根 もともとは他の社員同様、イシグロの店舗スタッフとして働いていました。入社当初は、好きな釣りを同じ趣味にもつお客様と話したりするのを楽しく感じていましたが、やはりそれだけでは仕事はできません。担当部門の管理や、主任になれば人の管理や指導も任されます。私自身、一つの事に集中してやろうと思った事にこだわりすぎる面があります。その為、人一倍仕事が遅くなる事も多かったんです。そんな状況で仕事についていけるのか日に日に不安になってく内に、会社を辞める決断をしました。
そんな時に当時の上司に呼びとめられ「お前の性格も知っているし辞めたい理由もわかる。でもそういうお前に向いたプロジェクトを考えているから一緒にやらないか?」と言われ一旦思いとどまったわけですが、それが今のイシグロ中古部門「タックルオフ」の始まりでした。
もともとモノ作りが好きで、当時竿を作るノウハウのようなモノはほぼなく、私の技術のほとんどが独学でした。ただ、それを苦痛を思った事はありませんでした。店頭スタッフだった時はマイナスに働いていた「一つの事にしか集中できない」「こだわりすぎる」性格が逆に向いていたのだと思います。結果として仕事を続けることになり、ロッドメイキングを突き詰めて至った結果「マイスター」という役職をいただきました。
イシグロは店舗だけが仕事をする場所ではありません。その人にあった、又は合うであろう環境で仕事をさせてもらえるチャンスがあります。

“究極の釣りの楽しみ方“を広めたい。

曽根03
マイスターの思う仕事の楽しさと役割って?

曽根 工房の仕事として日々依頼がある「ロッドメイキング」という竿を改造する、作るといった作業ですがそれが何よりも楽しいです。竿を作るというと難しいイメージがあるかと思いますが、実際は慣れればプラモデルを組み立てる感覚で作ることができるものなんです。自作の竿で釣りをするというのは釣り人にとって“究極の遊び”です。竿を作る工程ももちろん仕事として依頼頂いたものは仕事としてしっかりと仕上げてお出ししますが、どこまでいっても遊びである事にかわりはないと思います。私の仕事の役割は、そんな楽しい工程をお客様自身に経験してただくお手伝いだと思っています。今も、竿の修理や改造の工程をはブログや動画で公開していますが、それを見ていただいた方に「これなら自分でもできるかも?」と思って頂き、ご自分でロッドメイキングを始めるきっかけになればと考えています。私の持っている技術に「企業秘密」は一切ありません。一人でも多くの方に竿作りの楽しさを知ってもらい、もっともっとこの「究極の釣りの遊び方」を広げていければと思っています。