イシグロ富士店より、
リメイク・リペア依頼品が入荷しました!!
(分類・ガイド交換)
こんにちは、工房担当の福田です。
今回の依頼品は、アマノ釣り具の
「SUPER・ICBM6-8LBS」です!
依頼内容は、
「ガイドのスレッド巻き直し」です。
ゴールドフレームの大半が緑青(ろくしょう)に包まれていて、
コーティングの劣化も目立ち、ヒビ割れも多い状態です。
トップガイドはそのままで#1-1ガイドから、
劣化状況に気を付けながら丁寧にガイドを外します。
全体的にガイドのコンディションは、
非常に厳しい状態!!・・・ですが!
この状態をどこ位まで綺麗に出来るのか、
それもまた、技術の見せ所だと思います。
少しの隙間でも、
海水が入ると段々と浸食します!
ガイド脚下まで侵食しています、、、
こちらも同じ状態ですね、、。
元ガイドも、御多分漏れず、、。
元ガイドもこんな感じです、、、。
大事なロッドをしっかり拭いても塩分が残ると、
保管状態でダメージが大きく変わります。
長期保存時は、
必ず定期的に様子を確認しましょう!
特にゴールドフレームのガイドは腐食します。
きらびやかで高級感があり人気ガイドですが、
弱点は塩分の付着です。
使用後は、出来る限り塩分を洗い流して、
陰干しをお勧めします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回のご要望は、
ガイドの巻き直しです!!!
さすがに、
この状態のガイドを再取付け出来ないので、
緑青を取れる所まで頑張ります!
緑青まみれのガイド・・、甦れー!!
コイツで、ある程度甦りますょ!!
酸が効く!サンポール~!※お酢でもOK!
トイレで使用する場面が多いので、イメージがあまり良く無いですが、
基本は、汚れを落とし綺麗にする物です!
注意するのは、 取り扱いのみ! 混ぜるな危険ですよ!
塩素系は、絶対混ぜるなと、、。
以前使用したサンポールの原液、色々沈殿しているが
しっかり使用はできます! 見てください!
➔➔
トップガイドは少し分かり難いですが、
他のガイドでしたら、バッチリ違いが分かります!
ガイドのフレーム全体に緑青まみれ!
サンポールを付けた綿棒で、グリ、グリッ擦ると、
緑青も取れて、段々と綺麗になっています。
➔➔
磨き終えました!!
少しは、ガイドの見栄え復活!!
#1-1Gから#1-4Gまで
➔
#1-5Gから#1-7Gまで
➔
#1-8Gから#1-10Gまで
➔
#1-11G(元上ガイド)
➔
#1-12G(元ガイド)
➔
※室内換気をしながら作業を!!
気持ちが悪くなるので注意!!
➔
作業に見合う状態にまで復活してくれたと思います。
黙々とグリグリ汚れをとりましたが、これが限界です!
十分見栄えも復活!!
この状態で取付けたいと思います。
次の作業へ・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先に、
ダブルラッピングの下地を作ります。
スレッドを丁寧に外します。
経年劣化も視野に入れて、全体に熱をあまり加える事はせず、
始めのスレッド起こしのみ、熱を加えてスレッドを剥がします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
下地・ダブルラッピング作成!!
スレッドカラー3色(近い色)!!
ゴールド、スカイブルー、ブラック、
Dスレッドで巻きます。
スレッド外し跡の処理を全部行います。
エポキシの残骸がワダチの様になっている為、
スレッドが巻き難く作業効率が悪くなります。
ワダチで密巻きも出来ず隙間が発生するので、
必ずワダチの削り処理をします。
※ワダチに乗ると後から隙間が出来る可能性が高いです。
➔
・この配色で、
ダブルラッピングをします。
・・・・・巻き方を2種類ご紹介!・・・・・
①・1種類目は、
上と下から巻く方法です。
手前下から、ゴールド、スカイブルー、ブラック、を巻き、
上から、ゴールド、スカイブルー、ブラックを巻き中央で合わせます。
純正品のスレッド巻きは、
上記①のスレッド巻き処理でした。
②・2種類目は、
手前から最後まで、
通しで巻き上げる方法です。
ピンラインのスレッドを長目に取り処理する為、
スカイブルーとゴールドのスレッド筋が、
2本薄っすらブラックスレッドに、浮かび上がった状態になります。
①・②最終の出来は見た目変わりませんがコーティングによって、
②の場合は、エポキシを薄く塗った時にスレッドのスジが出ます。
スレッド巻きの表面馴らしは、
おすすめの、このアイテムで!!
スケルターワークス
綺麗に整えるなら、これ! ➔
スレッド巻きのムラを、このバーニッシング・スティックで、スレッド表面を慣らします。
スレッドが押し潰されて、隙間を埋めるとても便利でスレッド面を整えてくれるアイテムです。
スレッド巻き後は、必ずこのバーニッシング・スティックを使用しています。
ダブルラッピングの下地も完了したのでコーティングに入ります。
1回目のコーティングですが、少し厚目にしてあります。
ダブルラッピングの下地は、スレッドの糸目が見えない程度で処理し、
ガイド取付後のコーティングで厚みを出して処理します。
あくまでも下処理段階なので、ガイド取付後のコーティングで、
しっかりと盛り合わせします。
艶も綺麗に出ています。
乾燥中!!・・乾燥中!!・・乾燥中!!・・・・・
続いて 下地が出来たら・・・、
ガイドを巻いてコーティング!!
➔
➔
➔
大物竿らしく貧弱にならない様に、エポキシの厚みを出します。
ガイドの抜け防止のスレッド根巻きも3回行っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最後の元ガイドの処理をします!!
飾り部は残して、
ガイド下とベルトの上下処理をします!
元ガイド下のダブルラッピングを丁寧に外していきます。
エポキシ跡のワダチが出来るので、このデコボコもしっかり削り処理。
綺麗に削りスレッドの巻きを阻害しない様にします。
中央の飾り部は残し、上下で止めてあるブラックスレッドを剥がし、
再度綺麗に巻き直します。
段差が出来ない様に、飾りの余分な箇所をカット!
飾りの上下処理をします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
元ガイドのダブルラッピングを作ります。
純正時の各スレッド数値は控えてあり、その数値を元に同じ長さにします。
飾り巻き上下スレッドのコーティングも劣化により、
ヒビが多く強度も落ちているので、Dスレッドのブラックで巻き直します。
飾り巻き部のカット段差と同じ高さになる様に、
2回巻きで高さを合わせます。
コーティング開始!!
フェルール上部も、スレッド巻きを2重にして厚みと高さを出します。
コーティング開始!!
こんな感じになります。 厚みもOK!!
飾りとの段差が出ない様に、
全体にコーティングを被せて処理!!
無事乾燥も完了しましたので、
依頼店のイシグロ富士店へ、
定期便にて返送致します!